心裡留保と虚偽表示と錯誤の違い

心裡留保と虚偽表示と錯誤の違いが民法の知識が増えていくと混乱してきます。今回はこれらの違いを明確にするためにまとめてみました。

■心裡留保と虚偽表示と錯誤を噛み砕いてみた


  • 心裡留保(しんりりゅうほ):嘘や冗談
  • 虚偽表示(きょぎひょうじ):偽の取引や仮装売買
  • 錯誤(さくご):勘違い

それぞれをわかりやすく置き換えるとこんな感じになります。こうやってみると違いが一目瞭然ですね。

■民法93条:心裡留保とは

意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

これは何かといいますと、Aさんが冗談で車を1万円で売るよ!とBさんに言った場合です。これは果たしてどうなるかというわけです。

この場合の取引は原則有効となります。しかし、以下のケースの場合は無効となります。

相手方のBさんがAさんが冗談で言っているとわかっている(悪意)の場合や冗談だってわかることが出来た時(有過失)。

本人自体は嘘を言っているので保護する必要ありませんので通常有効ですが、取引相手がそれを知っている場合は相手側を保護する必要も無いので無効となります。

■民法94条:虚偽表示とは



  1. 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
  2. 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。



相手と虚偽の取引をした場合は無効となります。この相手と通じてした意思表示は通謀虚偽表示(つうぼうきょぎひょうじ)と言われます。これはそもそも無効となります。

たとえばAさんとBさんが結託してAさんの車をBさんに仮装売買したとします。こうすることでAさんは車持ってないもんっと他の人に言えますよね。これは虚偽取引なので無効なのです。

しかし、ここでBさんがしめしめ俺のもんだし売っちゃおう!って思って、その仮装売買を知らないCさんに売っちゃったとします。

このとき自分がAさんだったら!Bさん何してくれるのよ。Cさんこれ虚偽表示だから無効なのよ!っていいたくなりますよね。

でも民法はそれを許してくれません。だってCさん可哀想じゃん!ってことで善意の第三者が登場した場合は無効にすることができないのです。

ちなみに親が買ってに土地を子供の名義にしちゃって、子供がそれに築いてしめしめうっちゃえ!って言う場合は通謀していないので虚偽表示にはなりませんが、94条2項を類推適用することができます。すると善意の第三者に対して自分の権利を主張できなくなる。これを権利外観法理といいます。

■民法95条:錯誤とは

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

例えば100万円の商品を10万円だと思って契約してしまった場合などがあります。この時は契約した人は勘違いしてたから無効にして!と言えます。この場合、原則は無効は表意者(意思表示をした人)しか出来ません。

ただし、判例は債権の保全の必要があって、表意者が錯誤があったと認めている場合は第三者から錯誤無効をしてもいいよと認めています。

ちなみに、表意者に重過失があった場合は表意者が無効を主張できません。なぜなら表意者がすげー悪いのにそれを保護する必要は無いからですね

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