宇奈月温泉事件の権利乱用について

民法の権利濫用についての大審院判決、宇奈月温泉事件についてご紹介したいと思います。ちなみに大審院判決とはいまでいう最高裁判所のことです。

宇奈月温泉事件の権利濫用


■宇奈月温泉事件の内容

宇奈月温泉事件とは黒薙温泉から富山県宇奈月温泉に温泉を引くために大正6年に巨額の費用をかけて引湯管設置工事を行った。

しかし、この引湯管の設置をする際に利用権を得ていない他人の3000坪のうち2坪を無断で利用していた。その後この土地がXに売却された。

その土地を購入したXは引湯管の所有し知ている黒部鉄道(現在の富山地方鉄道)に対して以下の要求の選択を迫りました。

・引湯感の撤去
・撤去しない場合、3000坪全ての土地の法外な価格買取

鉄道会社はこれを拒否したのでXは所有権に基づく妨害排除請求に基づく引湯管の撤去提訴しました。

■宇奈月温泉事件の権利乱用は民法第1条

判決はXの要求を排斥した。理由は以下のとおりです。

3000坪の内2坪だけという損失が軽微でしかも荒廃地。それにたいして宇奈月温泉はこれが供給されなくなると多大なる損失を被る。さらに2坪だけじゃなく全ての土地を買い取れ!という要求は相手に対して莫大な費用がかかってしまう。
要するに権利を振りかざして大金をゲット!を目指しただけですね!これは完全に権利の濫用です。それでは民法の1条を見てみましょう。

民法第1条
  1. 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
  2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  3. 権利の濫用は、これを許さない。
これをみてみると3項に権利濫用については許さないってありますね。要するにこれに引っかかるわけですね。
自分の権利でも権利は信義則の法則にともなって正しく使わなきゃダメです!何事も身の丈のあったことをしましょうってことですね。
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